たどたどしく話し始めたその日から、子どもは小さな言語学者!本書では、子どもがいかにして日本語を身につけ母語者となってゆくかの考察と実例が、著者の実体験も含め楽しく豊富に紹介されています。「は」にてんてんつけたらなにになる? 死の五段活用? 「ん」があるのはおかしくない?... 子どもならではの可愛い言い間違いや大人からみた珍妙な疑問は、実は法則性がありどの子も通る道であること、そしてそこにこそ言語の獲得という、人類の最重要事の謎に迫るヒントが隠されているであろうことなど、読めば読むほど子どもたちの言葉への旅の過程は興味深くスリリング。言葉を身につけてしまった大人からしたら、もはや思い出せない純粋な問いがいかにして子どもたちの中に芽生え日々育っているか、それらの例を知るだけでも思わず頬がゆるんでしまう面白さ。日本語だけではなくすべての言語すべての子どもたちが経験する、言葉という大海への大いなる冒険。その真っ只中にいる小さな彼らの姿を通して、日本語、ひいては言語そのものへの新たな興味と認識を得られるユニークな一冊です。
商品情報 |
著者 | 広瀬友紀 |
発行 | 岩波書店 |
サイズ | 130mm x 185mm |
ページ数 | 115P |
その他 | ソフトカバー |