『ゲド戦記』の著者・アーシュラ・K・ル=グウィンの母親、シオドーラ・クローバー。これまでに邦訳もされている『イシ 北米最後の野生インディアン』(岩波書店)などの作品を遺している彼女が、米国カリフォルニアの先住諸民族に伝わる口承説話から9つのはなしを選び、再話した物語集です。作家であり、人類学者でもあった彼女は、資料を読み、実際にその土地を訪れ、多くのインディアンの女性に出会います。インディアンの伝説は男性が中心に描かれるものが多い中で、それらの物語にシオドーラ自身が蓄えた体験と知識を加え、改めて女性の視点から語り直している点が本書の最大の特徴といえるでしょう。人間の根源たる原始の姿を守るインディアンと、当時の白人社会と何ら変わらない一面を見事に結びつけた一冊です。
商品情報 |
著者 | シオドーラ・クローバー |
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訳 | 中尾ハジメ |
発行 | 編集グループSURE |
サイズ | 130mm × 190mm |
その他 | 253p/ソフトカバー |