作家メイ・サートンが一人の自立した女性として、また生身の人間として、孤独や怒りや失望すらも友として、ニューハンプシャーの田舎家での一人暮らしを綴った『独り居の日記』。女性自伝文学の分水嶺とも評される本書は、そのすがすがしいまでの「孤独」との対峙というテーマにおいて、感動と共感、そして不思議な慰めと希望を読者に与える輝きを今も放っています。また本書では、彼女の暮らしに欠かせなかった「庭」にも頻繁に触れられており、それも静かなる魅力のひとつ。荒れた土地から丁寧に作り上げ多くの思索の場となった庭という存在、独りの女性作家の創作において大きな役割を果たした、他には代え難い場としての庭に思いを馳せるのも面白いかもしれません。己ただひとりであるということ。その尊さにあらためて触れられる不朽の作。
商品情報 |
著者 | メイ・サートン、武田尚子 訳 |
発行 | みすず書房 |
サイズ | 135mm x 195mm |
ページ数 | 276P |
その他 | ハードカバー |