思想家の鶴見俊輔が、亡くなるひと月前まで同人誌『活字以前』で連載していた「倒叙 思想の科学 私史」に、未発表原稿を大幅に増補しまとめた、事実上の遺稿集がこのたび編集グループSUREより刊行されました。日本の戦後思想へ新しい道筋を示した月刊誌『思想の科学』50年の歩みを、創刊者の鶴見自身が過去へさかのぼり、そこに関わった人びととの思い出やエピソードを交えつつ通史として書き残した最後の仕事となります。「私は、『思想の科学』のために生涯をすごしたことを悔いることはない」と綴るように、一貫して彼の思索と行動の拠りどころであり続けたライフワークの全容が闊達な筆で明らかにされます。巻末には、作家の黒川創を聞き手に雑誌初期の活動をありありと語ったロングインタビューに加え、編集部による座談形式の解説を付した決定版。戦後日本の思想界でひときわまばゆい光を放った巨星の有り様を俯瞰するとともに、その哲学への入門編としておすすめできる一冊です。
商品情報 |
著者 | 鶴見俊輔 |
出版社 | 編集グループSURE |
サイズ | 130mm × 190mm |
ページ数 | 191P |
その他 | ソフトカバー |