ウマの言葉に耳をすますというコンセプトの「馬語手帖」に続く本書には、すこし視点を変えて、自分自身も含めたウマとのコミュニケーションについて綴られています。観光牧場や競馬場ではなく、野生や人と共に暮らすウマたちに触れている著者は、彼らとのコミュニケーションから自分自身の内面や生き方そのものを見つめ直し、思索にふけります。比較的体力の弱い著者は、ウマを力で飼いならすことに違和感を抱き、対等に会話し付き合う努力をします。ウマの話が人間のことのように読めたり、人とウマとの違いから人間について考えさせられたり。易しい言葉で綴られたある種の哲学の書。出版から10年の時を経て、このたび横長の文庫版となって再入荷いたしました。
著者:河田桟
発行:カディブックス
サイズ:A6横判
その他:270P / ソフトカバー