地下室に浮かぶ顔だけの猫のカップルとの一夜の出会い(「シジミとチジミ」)。小さな家に立ちながら暮らす男女の冒険譚(「セ」と「ラ」)。夜な夜な飛翔するリボンが少女を襲う奇っ怪な物語(「リボンヌ」)...。童話作家・舟崎克彦が紡ぐ6篇のイマジネーションに金子國義が添える優雅で淫靡な挿画。あふれるほどの童心と憂愁を併せ持つ作者ならではの世界の展開と、濃密な絵画の絡み合いが素晴らしい。70年代らしい豪華さで作成された大人の絵本です。両者の署名入り。黒いダストジャケットの一部にカスレあり、本文若干のシミあり。帯もありますが、中程で切れ半分となっています。それ以外は概ね古書として標準的な状態です。事前にどうぞご了承ください。