鴨居羊子が若き日から触れ合った多くの猫たちの姿を、動物を愛し続けたその独特の感性で綴ったエッセイ集。安穏と暮らす飼い猫ではなく、路地裏に潜みその生を謳歌する猫たちの生き様を、世の中のしがらみを断ち切り自由に進む自身の人生と重ね合わせるかのように見つめる筆が伸びやかで素晴らしい。鴨居羊子を通してみる猫たち、猫を通してみる鴨居羊子。自身の撮影した写真もふんだんに挿入され、人と猫の魅力に満ちた一冊です。挿画、装幀ともに著者。経年によるカバーのくたびれ等はありますが、特に目立つダメージはありません。
著者:鴨居羊子 / 出版社:人文書院 / 150mm × 210mm / 152P / ハードカバー / 1978年初版