50年以上にわたりほぼ毎日、街に出かけ、京都の人と街を撮りつづけている甲斐扶佐義さん。
ときに自らを怪爺と呼ぶ、チャーミングな人柄と物事をまっすぐと、そして優しく見つめる瞳に京都はどううつって来たのでしょう。
本書はモノクロにこだわり発表してきた氏の写真を328点をも収録した、決定版とも言える作品集です。
構成も大変面白い工夫がなされており、表紙を開くと京都市の地図が掲載され、そこに甲斐さんの「生活圏・散歩コース」、「準散歩コース」など、氏の足跡をめぐるようなつくりとなっております。そしてそこに収録されるのは、70年代〜90年代の京都の街並みと、人々を収めた写真です。立派な事物が荘厳と立つ写真などではなく、毎日何百枚とシャッターを切る中で立ち現れてくる、ふつうの京都。そのちょっと素敵で、愛らしく、ときに逞しくてどこか寂しい街の風景と、飾らない写真をぜひお楽しみくださいませ。(原口)
甲斐扶佐義(かい・ふさよし)
1949年大分生まれ。1968年同志社大入学(除籍)。1972年京都の対抗文化の拠点となる喫茶店、ほんやら洞を仲間たちとオープン(2015年焼失)。2015年京都美術文化賞受賞、2023年京都府文化賞功労賞受賞。主な写真集に『笑う鴨川』(リブロポート)、『Kids』(京都書院)、『京都猫町さがし』(中公文庫)、『路地裏の京都』(道出版)、『京都ほんやら洞の猫』(エディション・エフ)ほか多数。共著に『夢の抜け口』(杉本秀太郎・文、青草書房)など。
-月曜社HPより
著者:甲斐扶佐義
出版社:月曜社
サイズ:190mm × 210mm
その他:320p / 全編モノクロ