「クレーの描く天使は、ミケランジェロのそれとも、フラ・アンジェリコのそれとも違う。クレーの天使たちはギリシャの神々のように人間的だ。かれらは私たちと同じように苦しみ、無邪気に喜び、涙にくれ、悩んでいる。クレーの天使たちのほとんどは成功者ではなく失敗者のようにみえる。だがそれゆえにこそ、かれらは信仰うすいこの時代に生きる私たちの共感をさそう。」(谷川俊太郎・あとがきより抜粋)
スイスの画家パウル・クレーが、厳しい状況におかれた晩年に生み出した天使のデッサン。死を目前にして、ささやかな幸せと平和を祈りながら、辿々しくもとてもとてもやさしい線で描かれた天使たちは、目で見えるよりずっと深いところにかくれている心に触れるよう。
45点の絵と、谷川俊太郎氏による18編の詩が奏でる二重奏。現代を生きる私たちに、大切ななにかをそっと語りかけてくれる美しい絵本です。(上田)
著者:パウル・クレー(絵) / 谷川俊太郎(詩)
発行:講談社
サイズ:195mm × 175mm(A5変形)
その他:64P / フルカラー / ハードカバー