「そう、ここは浮世の疲れを癒す、共同の入会地なのだ。赤の他人が素っ裸で同じ空間で過ごす非武装中立の、和解の場でなくてはならない。全身に入れ墨を施したアウトローでさえも、湯に浸かれば老若男女の一人になる。そんな場所が、世知辛い現代に一つぐらいあってもいい。」(「これぞ富士見の絶景温泉」より)
文筆家・平川克美さんがおくる、
旅の風景と温泉の醍醐味を描いたエッセイ集。
あたたかな湯気に包まれた旅路の情景は、
読んでいるこちらの心と体まで、じんわりと芯からあたためてくれるようです。
日常の喧騒をひととき離れ、この一冊を片手に、湯けむりの旅へどうぞ。(嶋本)
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お湯につかること以外に、何もすることがないという贅沢。
そんな小さな温泉旅へ。
つげ義春が巡った温泉を辿り、ボロ宿を見つけてひとっ風呂。
小津安二郎や成瀬巳喜男の映画のロケ地を巡り、温泉街でひとっ風呂。
師である大瀧詠一や昭和の文豪たちの足跡をなぞり、鄙びた温泉宿でひとっ風呂。
湯けむりの向こうにある人々の暮らしや時代を経て移りゆく湯町の景色がていねいに綴られた、
市井の生活を映す温泉紀行です。
(版元紹介文より)
著者:平川克美
発行:灯光舎
サイズ:155mm x 130mm
その他:240p