竹富に「ひとぅ人間になる」という言葉がある。
人ひとりのうちには、言葉が眠り、思いが秘められ、魂が息づいている。それらがよりよき形で、その人のうちに立ち現れ、周囲の人との交わりを可能にしていくために、おそらく、生まれてから身につけてきた心の鎧、ともいうべきものを少しずつ下ろしていく必要があるのではないか。
(本文より)
長きに渡った教師生活にさらば、と告げ、沖縄県竹富島に移住した著者。竹富島に根を下ろす生活のなかで刺激され、思い起こすさまざまな日々と気付き。
自らの鎧を下ろすかのように、先入観を突きくずすきっかけのひとつとなった体験を起点にして語られる、生きること。読み手に、その下ろし方を託すように紡がれたエッセイ集です。(原口)
著者:三砂ちづる
出版社:ミシマ社
サイズ:135mm × 175mm
その他:220P / ソフトカバー