福音館の"かがくのとも"や、幼児絵本シリーズ「くだもの」、「やさい」、「いちご」、「たんぽぽ」など、本物みたいにそっくりなのに、生命のささやかなしぐさをかんじる温かみのある世界観、またシンプルながら、そこにあるものをじっくりとよく観察しようという思い感じる表現のこころのこもった絵本作品でお馴染み、平山英三・平山和子さん。
ふたりが残した数々の作品の中より、これまで本として未出版の絵を集め、絵描きとしての二人の軌跡を辿る1冊が入荷いたしました。
色々な草花で、種を絶やさずどんどん増やす知識と才を持っていたという和子さん。自身で植えたもの以外でも、花壇からネズミによって運ばれた球根が庭の思わぬところで花を咲かせたその一本一本をも愛でられたそう。「落葉美術館」という、年に一日だけ開く美術館を、おひとりで大切に運営していた英三さん、和子さんのお庭の力仕事も大いに手伝っておられたそうです。自然を見つめ、その姿を描いたふたりの試作の数々。本書は絵本作家として知られた二人が描いた写生、試作、雑誌の挿絵の仕事、いたずら描き、そして落ち葉の絵の数々を360頁ものボリュームで収めた貴重な1冊です。
(原口)
絵:平山英三・平山和子
編者:平山日菜・杉山良子・久住和代
発行:杉山良子
サイズ:210mm x 150mm
その他:360p / ソフトカバー