”ここにしかないお茶”
土と 澄んだ水と 人の意思 が
合わさってできる 在来茶
それは 千年以上も 昔から続く
日本古来の 茶のあり方
一杯の お茶が
山から あなたの元に 届くまで
(本文より)
広島・世羅と尾道を拠点に在来茶づくりに取り組む茶人・茶農家の高橋玄機さん。彼が主宰するTEA FACTORY GENの立ち上げから現在に至るまで、写真家・大森崇史さんはカメラを通してつぶさに見つめつづけてきました。
茶の木を育て、茶の葉を摘み、茶をつくり、淹れる。一般的に私たちが口にする機会の多い品種改良されたお茶と比べ、代々地域で受け継がれ個性の磨かれた在来茶。地域ごとに歴史ある固有の野菜や果物があるように、チョコレートやコーヒー、紅茶、あるいはワインのように、お茶にも土地のテロワールが育む個性豊かな味わいがあります。
”自然と人の創作物”と謳われる奥深い在来茶づくりは、人の手を介する過程もまた唯一無二の味や香りへと。季節のめぐりに合わせ、その営みを映し出す写真はしっとりとした美しい気配に満ちています。山から私たちの手元へ、長い月日と人の手を介して届く茶。その旅路に思いを馳せながら、一瞬を捉えた大森さんの写真と言葉をお楽しみください。(岡本)
写真・文:大森崇史
デザイン:平林美咲
協力:高橋玄機(TEA FACTORY GEN)
その他:40p / フルカラー / 日英併記