飛鳥・藤原での撮影は、ぼくにとって過去の歴史を想像するための種を拾い集める行為であり、
身体によって歴史を知覚する歩みであったともいえる。
訪れたそれぞれの人が、偶然出くわすことになった種を記憶の中で芽吹かせ、
断片的でしかない移籍の輪郭を想像力で補いながら、 新たな風景を再び立ち上がらせることはできないだろうか。
未来は懐かしく、過去はあたらしい。
それが飛鳥・藤原に対するぼくの率直な印象である。(本文より)
奈良県に所在する、日本の国家体制が形づくられたことを証明する文化遺産「飛鳥・藤原の宮都」。石と水がつなぐ、2つの宮都にはじまる土地の記憶を、写真家・石川直樹さんは2年間にわたり記録しつづけてきました。こんなところに、と首を傾げそうになる街の各所に残るふしぎな石たち、遠くの山から近くの田んぼまで繋がる清冽な水のめぐり、古来より継がれてきた地元の祭祀。時の流れの名残、かつてあった古代の人々の息遣い、風のおとで感じられる気配を、石川さんは逃さず撮りおさめます。巻末には、本書に収録されている写真ひとつひとつの解説も寄せられており、写真を手がかりに現地を歩きたくなるマップと年表(別刷)付き。コデックス装で、180度開いてお楽しみいただけるのも嬉しい仕様です。日英バイリンガル表記。(韓)
写真:石川直樹
出版:夕書房
解説:青柳正規(奈良県立橿原考古学研究所・所長)、山田隆文(奈良県世界遺産室)
サイズ:B5変形
その他:168p / コデックススイス装 / フルカラー