ヨーロッパの中部に位置し、きわめて多様な言語・民族・宗教が複雑に交錯した”中欧”と呼ばれる地域。
本書はそんな”中欧”に、研究を目的として関わってきた在野の研究者を中心として、その複雑な歴史や民族の、綴られることなく空白に消えていった無数の出来事に想いを馳せて作られたリトルプレス。それぞれの文章には、手書きの書き込みのあるユニークな仕様で、文中に入らなかったぼやきや、セルフつっこみ他、思い入れ深い写真など、興味深く、実にマルジナリアな1冊です。(原口)
●目次
チェスワフ・ミウォシュへの投壜通信 山本悠太朗
「オデーサ(オデッサ)の大階段」を見てみたい 佐伯彩
トランシルヴァニアの瞳 阪本佳郎
山椒魚の足音 村瀬泰菜
ヨシップ・イェラチッチ像とその周辺 宇野真佑子
バルトークのうそ 新野見卓也
中くらいの愛──あるいは書くことのスリングショット 須藤輝彦
自分だけの家、または水街ダイアリー 中井杏奈
作者について書かれないこと 富重聡子
批判理論の理念と反時代性 秋元由裕
プラハという迷路、飲んだビールは恋の味 佐藤ひとみ
一七歳 二井彬緒
近代日本と「東欧」の夢 吉川弘晃
著者:山本悠太朗 / 佐伯彩/ 阪本佳郎 / 村瀬泰菜 / 宇野真佑子 / 新野見卓也 / 須藤輝彦 / 中井杏奈 / 富重聡子 / 秋元由裕 / 佐藤ひとみ / 二井彬緒 / 吉川弘晃
表紙・挿絵:リーヴィース安奈
編集:佐藤ひとみ / 中井杏奈 / 山本悠太朗
サイズ:195mm × 266mm
その他:162p