一人の俺は野垂れ死んで夜通し唄っていたばかの方は生きてるらしいな
俺は俺に唾を吐きかけた。だがやっぱり俺を抱きしめていた
俺はあぶなく茶碗をわるところだったので、窓から茶をぶちまけた
ヨーヨーをやってみた。誰も満足に出来ないのでみんなそれで満足した
いつの日か、私はロケットに乗り、そうだあの「雨の海」へ降りようか
おやここにも腰ぬけ人生よしなよ坊やと手をふる親父もインテリか
こんな夜も人工衛星は回っているのねうん彼も自然の一部になったからね
ポチよついてくるか。俺ときてもなんにもないぞ、北風と星とあるのみだ
光年という時間と距離を越えてゆく人類の日まで滅びずにあれ
点滅社より、満を持しての1冊が刊行いたしました。
五七五七七の型を意識しつつも大胆な破調で、生きるすれすれで放ち続けられたかのように連なる唄の数々。昭和期に活動していた謎多き口語自由律の歌人、小関茂の歌集です。
明治41年、西洋化が進んだ時代に北海道に生まれた小関。のちに口語自由律短歌を開拓した歌人・前田 夕暮に師事し、職をてんてんとしながら制作を続け、生前2冊の歌集を遺しました。本書はその2冊をまとめ復刊したもの。
また栞として、現代の作家3名による、12頁ほどの小冊子が挟み込まれています。
(原口)
【著者紹介】
小関茂 (コセキ・シゲル)
1908年2月12日、北海道旭川生まれ。1923年に上京し、職を転々とする。1929年「詩歌」に入り前田夕暮に師事。1931年に東京電機学校卒業。戦後は「人民短歌(新日本歌人)」や「地中海」の創刊に参加した。歌集に『小関茂歌集�供戞愍�関茂歌集�掘戞⊂�説に『大雪山』、そのほか科学小説・論説など多数執筆。1972年7月11日没。
【栞(12pの小冊子)】
pha 『人間社会への墜落』
東直子 『眺めていると透明になる』
町田康 『心の真の形』