フランス前衛文学の名作ベストセラー「地下鉄のザジ」、2021年に刊行された新版です。
地下鉄に乗ることを楽しみに、田舎からパリにやってきた少女ザジ。ストであいにく地下鉄に乗れず、街をさまよい過ごす二日間を描きます。
「あたし宇宙飛行士になって火星人をいじめに行くんだ」と言い放つ、お転婆(口の汚い子河童)な少女ザジを筆頭に、周りの大人達や、陰気な鸚鵡…誰も彼もクセの強い登場人物だらけ。二言目には「けつ喰らえ」。俗語満載で彼らが交わす会話にはいつだって面食らってしまいます。積み木を乱暴に組み上げて、最後にガラガラと崩すように、ドタンバタンとぎこちなくも、まるで映画や漫画のようなテンポの良いスピード感で読み心地が小気味好い。
二カッと悪戯に笑うザジが印象的な表紙は、お馴染みの100%ORANGE。巻末には、訳者・生田耕作の解説に加え、新たに映画評論家・植草甚一による「地下鉄のザジ」映画評、文筆家・千野帽子による新版解説を収録。
商品情報 |
著者 | レーモン・クノー |
訳 | 生田耕作 |
発行 | 中央公論社(中公文庫) |
サイズ | 105mm × 148mm |
その他 | 283P / ソフトカバー |