毎日届く本を段ボールから開け、本を棚に並べ、店を開ける。
馴染みの客、 旅行客、新しくこの町へ移り住んできた人たち。カウンターに立つ人びとへ本を売り、二言三言会話を交わす。
毎日のその繰り返しは深い示唆に富んでいるわけではない。それは商いであるからだ。
だが、人びとが行き交うことの、本を売り続けることの集積が場所自体に商取引からはなれた何かを作り出していくのだとするならば、
それを「文化」という陳腐な表現で片づけるのはご免被りたい。
そんな大層なものじゃないよ、と言いたくなるのだ。
(「ぼくのコルシア書店」より)
盛岡に位置する書店「BOOKNERD」店主・早坂大輔さんによるブックエッセイ。店に立ち、本を読み、映画を観て、レコードを探し、親という立場から家族を見つめる。商売のこと、現代社会のこと、我々が身を置く地球という星のこと、ほんとうに本ばかり読んできた日々のこと。幾度も直面するずれと不確かさを縫い合わせるように、ときに立ち止まり、ときに早足で進みながら、ページに目を落とす。飾らない文とことばで綴られた、読書と思索のはざまを行き来する日記のような一冊。(韓)
商品情報 |
著者 | 早坂大輔 |
出版 | BOOKNERD |
サイズ | 105mm × 178mm |
その他 | 48P / ソフトカバー |