遊びに夢中になって、気づいたらもうそろそろ夕方。さあおうちへ帰ろう…。どこかの町、一人の女の子が夕暮れの光のなか、家路へとつきます。行き交う人も、鳥も、虫も、商店街も、みんな夜にむかって動いている。夕焼けに染まった町を歩く女の子の目線で描かれる風景がどこまでも優しく、家族の待つ家へと急ぐ女の子の気持ちとともに、読者もオレンジ色に染まった景色を見つめます。版画家・平岡瞳さんによるきらめく色彩、遠くの町を見るかのような懐かしい雰囲気。そしておひさまも空に帰ったあと最後に訪れる夜の情景の美しさ。さまざまな色と心が交差するあたたかい絵本です。