夫に「キミは文学を知らないね」と言われてもしかたない。
が、この指摘は正しくない。
わたしは、文学に興味がないのだ。
なので文学を「知らない」ではなく「知ろうとしない」が正しい。
(「キミは文学を知らない」より)
京都出身、2009年刊『利休をたずねよ』で第140回直木三十五賞を受賞。他にも数々の作品を手掛け、2014年に早逝した歴史小説家・山本兼一。「道に迷いそうになったら、日本を探して歩くといい」と語り、亡くなる直前まで物語を紡ぎつづけた彼の妻である児童書作家・山本英子(ペンネーム:つくもようこ)が語る自身の人生、亡き夫の追憶。かつてライターとして活動していた著者が「この人の目に映る風景を見てみたい」と決心した、ひたむきに執筆を進める夫の姿。「作家として」書いたプロットを「作家である夫」に見てもらった日、加茂川をともに歩いた日、ふたりで京都で住まうと決めた日。妻と夫というより師匠と弟子として重ねた、悲喜交々の狭間でうごめく創作と同伴の日々。京都の出版社・灯光舎がお届けする、「本のともしび」シリーズにつづく「本と人生」シリーズ第一弾となるエッセイ集。(韓)
商品情報 |
著者 | 山本英子 |
出版 | 灯光舎 |
サイズ | 130mm × 183mm |
その他 | 218P / ハードカバー |