いくつになってもお遊びの心は忘れたくないもの。お子さまと良い子にはおすすめいたしません、絶対に。精神分析などもってのほか。
ご紹介するのは、ユーモアのわかるチャーミングな大人へ贈るエスプリの効いた絵本です。
という前置きも、主人公のおてんばルル、ちょっとやそっとのおてんばではないのです。得意のいけないポーズはところかまわず、口癖は悪い言葉。イースターでは腐った卵をかわいくラッピングしてプレゼント。自由気ままでで破天荒なルル。まるで芸術家の苦悩と快楽が愛し合って生まれたようなルル。暗い気持ちで沈むこともあるけれど、ルルはルルに夢中です。
描いたのは、”モードの帝王”と言わずと知れたイヴ・サンローラン。本書が誕生したのはまだサンローランが20歳の頃。ディオール社で働きながら少しずつルルの話を作ったのだとか。(巨匠ディオールも最新作を楽しみにしてたそう!)その後、フランソワーズ・サガンの目にとまり、彼女が何年にもわたってサンローランを説いて1967年にようやく出版となり、サンローランの生涯で唯一の絵本作品となりました。※本書は2023.12の新装版。
絵本の見返しにはモデルや史実、芸術作品のパロディが満載です。(わからなくても大丈夫。巻末に題材になった作品や人物の情報が添えてあります。)
本書をひらくひとときは、ルルとのお遊びの時間。閉じたら終わりです。「シュミュック!プリュック!」(原口)
商品情報 |
著者 | 作 / イヴ・サンローラン 訳 / 東野純子 |
発行 | 河出書房新社 |
サイズ | 128p / 210mm × 305mm / 上製本 |
その他 | お子様は大きくなってから。 |