「ミナ ペルホネン」の皆川明が描く挿画集。テキスタイルデザインからは離れ、新聞連載記事のために描いてきたドローイング630点が2冊組にしてまとめられています。「森へ行きましょう」は川上弘美の長編小説のために。もう1点の「日曜に想う」は朝日新聞の編集委員コラム欄に寄せて。闊達に描かれた線のなかに見える繊細さと優美さ。シンプルで自由ながらも深まる独特の世界。表情の違う様々な絵は、眺めているだけでも見飽きない不思議な力に満ちています。絵を描くことを「自分のなかに存在する、意識されないままでいた何かが、表面に浮上してきたような、あるいは光が当てられたような、ちょっと不思議な経験」という自身の言葉にあるように、見つめる者にも多彩な印象を与え続ける作品集。作家・編集者である松家仁之さんを聞き手とした、絵を描くことについての貴重なインタビューも収録。スリーブケース入りの造本もエレガントで清々しい魅力があります。
著者:皆川 明
発行:つるとはな
サイズ:135mm × 185mm(ケースサイズ)
その他:各350P前後 / ソフトカバー / スリーブケース入り