岩手県の紫波町・矢巾町を中心に展開されている、小さな共同体の記憶をアーカイブすることで生きたコミュニティの輪郭を捉えるコミュニティマガジン『人 to ひと』。4号目となる本誌では、地域や病気の有無を問わず誰もが参加でき、「社会的処方」をコンセプトとして包括的かつ健康的な町づくりをめざすコミュニティ畑「畑多楽縁」主宰・星真土香さんを取材。農業者(生産者)と消費者を分けず、みんなで畑をつくり、野菜を育てて食べることで、みんなで食べ物の大切さを知っていくこと。同じ目的を持ち手を動かすことで新たな付き合いが生まれていくことが最も重要視されている、と星さんは語ります。黙々と作業をする人もいれば、ラジカセから流れる音楽にあわせ歌う人、それを遠巻きから眺める人と、畑に立つ人の表情はさまざま。
巻中には星さん、くらすした不動産デザイン室「夕方デザイン」の有原寿典さんと本誌の編集者・佐々木新さんによる鼎談対談を収録。人と人とのつながりがもたらす豊かさを掬い上げ、生きるうえで大切な「"わたし"に還る」「"わたし"を知る」ことに焦点をあてた一冊です。