空っぽの体であろうとすれば、様々な実の気と出会うだろう。ぼんやりポカンとしている体には、好奇心や中傷、退屈、不足不満、無知無茶、嫉妬、羨望、そんな実の気が、暇や隙を狙ってプカプカと音を鳴らし、やってくるだろう。その一つ一つを、裁き、かたづけ、たたみ、ならべ、黙々とにっこり相手に手渡してゆこうー(本文より)
川崎智子の整体覚書「道順」に続くシリーズ第二弾。独学で整体を学びはじめた3年間の経験、体感を記した前作から、本書は整体活動の実践とその過程を書き綴ったもの。
未知の対象への触れ方、観察をすること、無知、未熟を隠さないこと…数々の失敗と試行錯誤を経て、著者が自らのうちに書き留めた「気づき」のメモが、ひとつひとつ染み渡るように響いてきます。
独りきりだった働きは他者とのものへ。行き詰まった時に繰り返し開きながら、永く付き合って行きたい本。