土地とのつながり、ものとのつながり、人とのつながり。それらによって形づくられた日々の営みの流路を丁寧に辿り、美しく切り取られた写真とレイアウトで紹介する本誌。復刊第6号の特集は「旅が教えてくれること。」
ゲストハウスの運営をきっかけに、山口県・下関の駅舎の隣で地域に根ざした豊かな食を提供する「Agawa」の塩満直弘さん、西野優さん。大分・山香の「カテリーナの森」で古楽器製作の傍ら、その原点である農の暮らしとともに民泊を営む松本未來さん・松本裕美さんの「糧の家」等、旅人を迎える人たちもいれば、旅を通して新たな扉を開いた人たちの物語も。前号からスタートした二つの連載に加え、〈未草〉小林寛樹さんの「丘に暮らす」や、誰かの思い出のひと皿へ迫る、マツーラユタカさんと笑達さんによる「ソウルフードトラベラー」も誌面を彩ります。
旅をすることは、ここではないどこかを目指すこと。さまざまに出会い、交流し、体験し、やがて取り払われてゆく日常の枠。日常と非日常の境目は時に遠く、そして時に近くにあるのかもしれません。目には見えないその境目をゆるやかに飛び越えながら、心の声に耳を澄ませ、まっすぐに理想を追い求める人々の物語です。(岡本)