「アンジュール」とは、フランス語で「ある日」という意味です。この物語は、ある日、車の窓から犬が放り出されるという衝撃的な場面から始まります。
画面いっぱいに、犬は走り、戸惑い、ひたすら歩き続けます。やがて長いさすらいの先に、心温まる出会いがあるのですが、ひとりぼっち同士の頼りない出会いは一層にせつなく、心に響きます。。
ベルギーの絵本作家ガブリエル・バンサンによる、文字のない、鉛筆と卓越した技術のみで描き上げられた名作絵本です。
流れるような筆跡は非常に正確で、躍動感に溢れています。一途で寂しげな後ろ姿が印象深く、孤独の余韻が残る素晴らしい作品です。