昭和28年から45年にかけ145巻に渡って刊行された『建築写真文庫』。建築家で粋人の北尾春道ひとりによって撮影、編集されたシリーズです。戦後、洋風建築が多彩に登場した時代の、有名建築ではなく大衆のためのレストラン。銀座界隈を中心に、その内装、外装を記録しています。殆ど無人の空間が切りとられていますが、モノクロームの静かさの中から、当時の満ち足りた幸福な空気が立ち上がって来るよう。北尾の丹念で細やかな視点が隅々まで感じられる美しい一冊です。
裸本、全体に経年のヤケ、少傷みがあります。