写真家・上田義彦が撮り下ろした家族の肖像。1993年に妻・桐島かれんとの間に誕生した第一子からはじまり、4人姉弟6人家族になってゆく13年間を膨大なモノクロ写真の中におさめた母と子の写真集。夫として父として家族を見つめたプライベートな作品であると同時に、その繊細な技法や独特の目線、余白の優美さは類を見ず、この人でしか撮り得ない奇跡のような一枚が連続する大いなる一作となっています。微笑みを切り取り幸せを封じこめた一瞬一瞬。どの家族にも生まれるそんな情景を愛と魂を込めて撮り続けた眩しい傑作。「悲しみは忘却の彼方へ。ほほ笑みは写真の中へ。」とあとがきで語る写真家の、子どもたちへの眼差し、そしてそれにこたえる四人の子どもたちの笑顔に胸しめつけられる一冊です。こちらは古書となります。経年によるくたびれはありますが、それ以外は概ね古書として標準的な状態です。