京都を代表する写真家、甲斐扶佐義さんについて、写真とともに学者や作家が書いた文章を集めた本です。甲斐さんと過ごす京都での時間の流れや、被写体として感じる甲斐さんの魅力が鶴見俊輔さんや杉本秀太郎さん、ジャン=フィリップ・トゥーサンさんなど、国内外の多彩な方々によって綴られています。しかし、収録されている70本ほどの文章は作品論にとどまりません。甲斐さんの見つめるものの豊かさや美しさについて、語るみなさまの言葉はとてもユーモラスで味わい深く、尊き日々を残す一冊です。
タイトルである「路上の人」は、写真家というには照れがあるという、甲斐さんが昔から感銘を受けている作家、堀田善衞の小説から。