「みんな本当は何食べてるの?」
一人暮らしで、夫婦で、店の厨房で…自分たちのためだけに作る料理。人には出さない料理。「恥ずかしい料理」とこの本で名付けられたそれらの中に宿る、様々な暮らしや価値観、そしてリズム。料理は人、というけれど生活そのものでもあり歴史でもあり。そんな、当たり前のことを料理を通して当たり前に感じられる真っ当さがこの本にはあります。もしかしたら住まいの紹介よりも、それ以上に日々を映し出すかもしれない料理というもの。写真家・平野愛さんに撮影されたそれぞれの顔がいい。料理がいい。それを紹介する梶谷いこさんの文章がいい。ただそれだけで、伝わるものがある。そうめん、肉団子、煮物にトースト。自分だけの「あのレシピ」を思い浮かべながら覗いてみてください。刊行は、京都の書店・誠光社。