そとがわは、こげ目のつかない程度に焼けていて、中はやわらかくまだ湯気のたっているオムレツ。
「おいしいな」、私はしみじみとオムレツが好きだとおもい、オムレツって何ておいしいものだろうとおもった。
(『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』本文より)
1960年ごろ『暮しの手帖』で連載されていた、食エッセイの金字塔『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』に登場する料理の数々をレシピ化した本書。シャンソン歌手・石井好子さんがパリで自炊をしていた頃、台所に漂うにおいに思いを馳せながら記録してきた料理たちを、わかりやすく丁寧なレシピ文とともに紹介。本書に使用されているアンティーク食器やテーブルクロスなどは、当時のパリの食卓を再現すべく、この本のために集められたもの。
ほかにもパリのお菓子の歳時記についてや、石井さんのパリでの暮らしを綴ったコラム、卵料理への愛に満ちたエッセイ、パリ在住時代の日々を捉えたスナップフォトなども盛りだくさん。どこか懐かしく、レシピの傍に添えられたメモも嬉しい。パリの土地のにおいがするような、家庭料理の魅力がたっぷり散りばめられた一冊です。
商品情報 |
監修 | 石井好子 |
発行 | 河出書房新社 |
サイズ | 200mm × 208mm |
その他 | 128P / ソフトカバー |