2020年日本翻訳大賞第六回にて、大賞を受賞した、H. S. サリヴァンの『精神病理学私記』という本があります。100年前に書かれた医学書を今日に翻訳し、選考委員たちに「この訳は画期的だ」と唸らせた、訳者の阿部大樹さん。彼の本業は翻訳家ではなく、精神科医です。
こちらの本は、阿部大樹さんが、翻訳に向き合う中で出会った言葉を“掻き集め”、紹介した一冊。例えば、「セロ弾きのゴーシュ」の「ゴーシュ」のことなど。単語としての意味だけでなく、どのような作品と接続し広がっていくか、その言葉の由来と個人的な思考が結びついていく。氾濫する言葉を、立ち止まり考える私的なノートには、国や地域、時代を超える言葉の味わいが書き留められています。 そして、すべてのページに描かれる画家/銅版作家、タダジュンさんの絵。オースターやユアグローら、海外文学作品の表紙画など、印象に残る作品を数々制作する、タダさんの怪しげな世界が見事に逡巡する言葉たちと重なり合います。 先着購入特典として、本書の刊行を記念し制作されたポスターをおつけしてお届け。こちらはなくなり次第終了となります。
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