「ベルリンうわの空」に続くベルリン暮らし第二弾。今度は、ベルリンのウンターグルンド＝地下に眠る巨大スペースをいかに活用するか？よりベターなやり方は何か？を、現地でできた仲間たちと思考する日々。そのスペースを巡っての模索を中心に描かれた本書では、住む者にとって場や地域とはどういう存在か、ひいてはその地域社会で心地よくすごすことは何につながるのか、など福祉や環境的視点も伴って語られたユニークな内容が引き続いて展開されます。ベルリンに限らず地球上のどの場所で暮らしても起こり得る問題を柔軟に語り自分たちなりの身の丈で対処しようとする清々しさ。独特のテンポと著者ならではのビジュアルで進むこのベルリン物語。社会からはみ出しかけた人々へのフラットな眼差し、自分たちに出来ることは何かを考える姿勢、それらを移住者の目でゆっくりと語る本書からは、人の間で生活することのある種の芯のようなものが伝わります。まさに「混ざりながら生きていく」、その基本を改めて思い出させてくれるかのように。