「この本はファッションの本ではない。街を歩く彼女たちが未来永劫、その人生を終える日まで、益対のないジャッジに直面しませんようにと勝手に祈るための本である。祈りながら、『ああ、やっぱり、好きなように装うのはいいな』と噛み締めるための本である。 そして『明日は何を着ようかな』と、何ひとつ心配せず、明るく悩むための本である。」(「はじめに」より)
東京の道端で、大阪の喫茶店で、パリの地下鉄で、ハワイのエレベーターで、青島の海辺で…。
テキスト、テキスタイル、イラストを作る「テキストレーター」はらだ有彩さんが描く、さまざまな場所で見かけた女性たちとその装いについて。特別編には、漫画家でエッセイストの瀧波ユカリさん、東京喫茶店研究所二代目所長の難波里奈さん、作家の王谷晶さん、タレントで文筆家の牧村朝子さんによるエッセイも収録。街で見かけた女性の装いから想像を膨らませ、ファッション史を少し辿ったりしつつ、知らない間に決まっていた装いのルールを疑って、明日好きなものを着て生きるための一冊。金の箔押しの意匠を施したカバーデザインも美しい。