2019年に創刊し、「対談シリーズ」第一弾『高野文子 私のバラけ方』も大きな反響を呼んだカタリココ文庫。こちらは同レーベルによる「散文シリーズ」の第一弾、本文庫の発行人でもある大竹昭子さんによる短文集。
葉山での散歩にハワイやバリ島やリビエラ半島を思い出し風景と記憶の関係を思う「なにを見ても別のどこかを思い出す」、引っ越しにともなう部屋(場所)とモノからなる空間の変容を描いた「室内室外」、同じ建物に住む男性が植物に注ぐ一途さを見出した「ある園芸家の寡黙な情熱」、歳月と共に内面に浸透する古い友人との旅の風景を綴った「場所がじわじわと染み込んでくる」、etc…。その著書『間取りと妄想』(亜紀書房)などで、空間への関心を創作に生かしてきた著者による、タイトル通り「室内」と「室外」をめぐる思索的な12の散文を収めます。
旅の隙間や電車の待ち時間、小さな暇(いとま)にさらりと読んでも深い余韻を残す一冊。持ち歩きやすいポケットサイズなのも嬉しい。
商品情報 |
著者 | 大竹昭子 |
発行 | カタリココ文庫 |
サイズ | 105mm × 143mm |
その他 | 80P / ソフトカバー |