パリ在住のイギリス人アーティスト Nigel Peake（ナイジェル・ピーク）の2019年作。小屋や地図、橋などさまざまなオブジェクトに着目し、ドローイングやテキストのシリーズとして制作してきた作家は、本作で植物のドローイングを連続的に展開します。スケールや視点を様々に変えながら、変わらないのは青一色でのラフなタッチ。それぞれのページには植物の模様やかたちなど、その特性とパターンを発見する作家の観察の跡が残されています。添えられたテキストには、継続的な制作のなかで視覚や聴覚、自然への感性が研ぎ済まれてゆく様が詩的に表現されています。タイトルは、高速で回転することで色を変える日本の独楽のこと。継続することで見えてくる細部、その微細な変化に驚嘆を見出す感性。どこか日本的な情趣も感じさせる美しい作品群です。