湖畔で一夏を過ごす少年が、ある日内気な姉と共に森の奥へと進み、山々を歩く。その過程で起きた少女の変化。それらをメランコリックなモノクローム写真と幻想的なストーリーで表現した、少年少女を題材とする美しい写真集。舞台となったアルプスの雄大さのなか、森の奥深くでみた少女の夢を中心に、儚くも寂しくそしてどこか妖しげな装いもまとわせつつ、写真家の独自の世界が紡がれています。タイトルはオランダ語で「森の中の夢」。本書は、ハンガリーの女性写真家アタ・カンドの、1957年作品のリバイバル。被写体となったのは彼女自身の子どもたちのようで、付属のリーフレットには少年役を演じたトーマス・カンドによって撮影時のエピソードも語られています。少年少女をモチーフとするイノセントな写真集の先駆け的名作。テキストはオランダ語。リーフレットは英語・ハンガリー語で書かれています。