ねこがこねこにビスケットをやいたら逃げ出して、すると外では羊飼いたちがお菓子の国をつくっていて…。登場する動物や人物には様々な文様が描かれており、それらはビビッドな色づかいと共に本当に美しく迫力があり素晴らしい。作者のマブリナは、ロシアに昔から伝わるお菓子型が好きで、それで実際に焼いたビスケットを使ってこの絵本を生み出したとのこと。絵のように焼きあがった本物のビスケットをコラージュのように配置し、一見絵なのか写真なのか錯覚を起こしそうになるほど、周囲のイラストレーションとはまりきったお菓子たちが本当においしそうで魅力的。カラフルで大胆でロシア的な色彩と図案の中、様々なみどころが多い絵本です。経年による劣化は若干みられますが、古書として普通の状態です。