戦前からカメラマンとして活動し、対外宣伝グラフ誌「NIPPON」にも参加した写真家・渡邉義雄が国交回復直後のソ連にわたり、モスクワの風景を撮りおろした写真集。荘重な建造物、市井の人々、軍人たち、そして子どもたち。モノクロの写真に丹念におさめられたひとつひとつの情景が、時に雄弁に語りかけ、時に優しく微笑んでくる。いつの世、どこの国でもある人々の営みと、時代のうねりとの両方を捉えた力強い写真集です。本書は「世界写真作家シリーズ」の一冊で、コンパクトな美しい造本も魅力的です。冒頭の寄稿文には中島健蔵、デザインは原弘。表紙に経年による薄いヨゴレ、見返しの変色、ページの綴じが若干ゆるくなっている箇所等がみられますが、年数を考えますと概ね標準的な状態かと思われます。事前にご了承の上お買い求めください。