本好きが高じて「本の虫」まで進化した5人が集い、それぞれの立場から思い思いに書物について綴るあれこれ。そんな文字どおり「本の虫の本」がここに出来上がりました。編集者、ライター、画家、古書店主、新刊書店員と生息地はそれぞれ違えど、いずれも本に埋もれて生きている本の虫たち。それぞれが巣食う本の世界からキーワードをひとつずつ選び自由に解説した内容は、一風変わった本の用語集としても楽しめるはず。著者紹介から既に虫にたとえられ、すべてのページにその項目とリンクする他の執筆者の一語を欄外に小さく添えるなど、随所に遊び心が発揮されたユニークな編集もみどころです。およそ150本に及ぶエッセイの中で、虫たちのその生態をどうぞお確かめください。中央に挟み込まれた赤井稚佳さんによるイラストレーションも、本好きにとってはまた大きな魅力のひとつです。
執筆者:林哲夫、能邨陽子、荻原魚雷、田中美穂、岡崎武志