記憶と空間。響きと余白。ギタリスト青木隼人が、かつて暮らした部屋でふたつの時間にまたがり録音したピアノを収めた”Echo / Room Echo”。 27分に及ぶピアノソロ「Echo」(2006年)と、カセットレコーダーやギターも用いた44分の「Room Echo」(2010年)を収録。間歇的に、余白をたっぷりとりながら弾かれる古いアップライトピアノの響き。もたらされる緩やかな時の流れ。キャンバスに絵筆で色を落としてゆくように、朧げに像を結んでゆく繊細な音の配置。展覧会の会場音楽として制作されたという2曲は、いずれもシンプルでありながら空間的で心地よいピアノアンビエントに仕上がっています。静けさと美しさを纏ったジャケット、アーティスト本人の手による厚紙を用いたスリーブケースのデザインなども素晴らしい作品。
「Echo」
「Room Echo」