倉敷の小さな古本屋「蟲文庫」の日々を綴った本書。約20年前、21歳の若さで、しかも女性でありながら古書店を立ち上げるという、世間からみて非常に特殊かつアウトローな道筋をたどった店主が立ち上げたこのお店は、今では古書界では独特の世界を築いた唯一無二のお店です。その古書店主としての日常が、様々な本や人や動物たちとの出会いと共に淡々と描かれた内容は、古本ファンや読書好きの垣根を越えて、どこかしみじみと暖かく、読む側に喜びをあたえてくれる上質のエッセイ集でもあります。女性が古書店を営むということ、地方でお店をやるということ、本に携わり続けるということ、好きなことを貫くこと、偶然の出会いを大切にすること…様々な小さなドラマに彩られた蟲文庫の周辺を散歩する気持ちで覗いてみてください。こちらは文庫化にあたり、様々な媒体に掲載された8編の文章が新たに収録されており、「蟲文庫に一度も行ったことのない」という元書店店主・早川義夫氏による愛ある解説も文庫版の嬉しいおまけです。
商品情報 |
著者 | 田中美穂 |
出版社 | 筑摩書房(ちくま文庫) |
サイズ | 110mm × 150mm |
ページ数 | 230P |
その他 | ソフトカバー |