東日本大震災発生時、原発事故の現場となった福島県。そこにある美術館ではその後いったいどのような事が起こっていたか。編集グループSUREのメンバーは、福島県立美術館を訪ね、震災以後のことをこの美術館の体験から様々に掘り下げ焦点をあててゆきます。第五福竜丸シリーズで知られるベン・シャーン関連の活動を多く手がけてきたという同美術館における黒川氏のシャーンに関する講演の収録をはじめ、館員たちの震災体験の聞き取りなどを座談形式で綴った内容は、ひとつの美術館が経験したことを通して、あの大災害をあらためて考える契機となるでしょう。のちに2011年を振り返るにあたって、特異な意義を持つ書となるであろう一冊。
編:黒川創 / 出版社:編集グループSURE / 130mm × 190mm / 200P / ソフトカバー