武井武雄 刊本作品 no.115「人生の門」
武井武雄の刊本作品no.115。武井は本をひとつの芸術ととらえ、執筆、挿画などの構想から刷りや製本という制作にいたるまで、すべて自分自身の手で作り上げた小さな作品を「刊本」と呼び、100を超える名作を世に残しました。いずれも限られた読者のための数百部という限定数しか制作されず、日本の書物の歴史の中でも貴重な位置を占める作品ばかりです。内容は多岐にわたり、風刺的なものや民話調、あるいはどこか外国のコントのような雰囲気のモダンなものが多く、大人の寓話といった趣き。こちらはその115作目で、自由か統制の下の人生かという二者択一から、日本国家や政治を皮肉った、この頃に多いポリティカルな内容です。ユーモラスな政治風刺画のような面白さで、市松模様の表紙もモダンで美しい。署名入り。シ リアルナンバーは限定300部中265番。特に目立つ難はなく、標準的な状態ですが、古いものですので、経年による多少の劣化等は事前にご了承のうえお買い求め下さい。
著者:武井武雄 / ハードカバー / 95mm × 120mm / 1977年製作 / 可憐判