1969年の春から『数学セミナー』誌上での連載、「トムのページ」をまとめたもの。表紙の立方体に注がれた赤い液体は、ワイン。立方体にワインを飲ますことによって、人間味を出させるという、ロマンチックな発想が造形論ながらも全編にわたって綴られた名著。レンブラントやエドガー・アラン・ポーなどを引用しながら、めくるめく造形の世界へと読者を誘います。建築がエコロジーへとつながり、ヒッピー世代に支持された、バックミンスター・フラーの影響も垣間見ることができるでしょう。特に目立ったダメージなく古書として標準的状態です。
著者:戸村浩 / 出版社:美術出版社 / 210mm × 210mm / 190P / ハードカバー / 1974年発行 / G