美術評論家・収集家であり、目利きの画廊主人としても知られた福島繁太郎氏の妻として、昭和30年頃からエッセイストとしても活躍した著者。本書は、夫をはじめ、各界の名士のカリカチュアを描いて大好評を博した代表作『うちの宿六』の続編ともいえるべきエッセイ集。品を保ちながらも歯に衣着せぬもの言いが読んでいて小気味良く、また、昭和30年代初頭の世相も描かれて興味深い一冊です。ブックデザインもこの時代の文藝春秋らしい洗練されたもので魅力的。
著者:福島慶子 / 出版社:文藝春秋新社 / 135mm × 195mm / 266P / ソフトカバー / G