片岡義男が「テディ片岡」名義で執筆した、自ら標榜する通りの「珍本」がこちら。裏表紙の「著者自身の広告」というプロフィール欄からも、本書が同時期に日本でも刊行されたノーマン・メイラーの『ぼく自身のための広告』などに影響を受けた軽薄なメディア論、カジュアルな思考のヒント集を目ざして書かれたものと推測できそうです。「スポンサーの時間」というコミックが挿まれたり、暮しの手帖のパロディページがあったりと、とにかく馬鹿馬鹿しいバラエティブック。巻末にはパロディ小説『新・雪国』も。数ある「ワニの本」の中でも珍本奇本として知られる1冊。小口にシミ、本体中面には特に目立ったダメージなし。
著者:テディ片岡 / 出版社:KKベストセラーズ / 新書判 / 220P / ソフトカバー / 1969年発行初版 / G