「旅が好き、と胸をはって言えるほど旅をしてきたわけでもないけど..」というかわしまさん。それでも自分の周りにない風景を求めて、カメラ片手にあちらこちらを訪れているこの人ならではの小冊子が届きました。今回の行く先は「竹富島」。赤茶けた瓦の写真が表紙のこの冊子には、かわしまさんが目にした南の島の何気ない日々の断片があふれています。白い砂に覆われた道、青い自転車、そして花々。地面に濃い影を落とす一輪の花や、少女の髪に飾られた花の美しさと強さが、小さなページからこちらにりんりんと響いて来るよう。写真が主体となっていますが、一週間ほどの島滞在の中で、自身が感じたことをゆっくり語る巻末の記は、旅する事の意味を静かに考えさせてくれます。これを手にする人みんなが、それぞれの素敵な旅を見つけられますように。