もしきみの呼び声にだれも答えなくてもひとりで進め
もしだれもが口を閉ざすのなら みなが顔を背けて 恐れるのなら
それでもきみは心開いて 本当のことばを ひとりで語れ(本文より)
2020年に公開されたドキュメンタリー映画「タゴール・ソングス」。本書は、監督の佐々木美佳さんによる同名のノンフィクションエッセイです。 タゴールが作詞・作曲を手掛けた、詩聖と呼ばれ、人間の尊厳や「生」そのものを歌い、ベンガルの人々に今も愛され続けている「タゴール・ソングス」。佐々木さんが数年にわたり映画の取材・撮影を行い、その旅路で出会った3人のタゴール・ソングスの”歌い手”をめぐり、物語は綴られていきます。人間の喜び、悲しみ。別離、貧困、矛盾、さまざまな苦境を乗り越える力は、自分のなかにある。生き抜くために必要な糧について気づきやヒントを与えてくれる大切な一冊です。 華やかでやわらかな花が印象的な装丁は矢萩多聞さんによるもの。