M.B.ゴフスタインの傑作『Across the Sea』が、50年の時を経て初めて日本語訳版で刊行されました。
海のむこうでおじいさんと私が時空を超えて出会うお話からはじまり、ひと気のない風車に現れた食いしん坊な鳥のお話で幕を閉じます。5つの小さな物語はすべてゴフスタイン初期の作品。彼女は子供の頃、本というものがあまりに素晴らしいので、人間が作ったものとは思えず、神様がくれたものだと思っていたのだといいます。
いつかたしかに知っていた言葉になりきらない幸せを、ページをめくる私たちの手の中にそっとにぎらせてくれるような、そしてシンプルな線画の素朴な主人公たちに、ありがとう、とささやきたくなるような絵本です。